【2018-19年鉄道で日本縦断旅行】-13~14日目(補充の旅)
早いもので、2018~19年の年末年始に行った鉄道日本縦断の旅から約半年。 雪から新緑へと季節も変わった6月、雨の週末でしたが、日本縦断旅の途中で悪天候のためダイヤが乱れ、鉄道に乗れなかった2つの区間に乗車すべく、日本縦断補充の旅を決行しました。
ちなみに、補充する区間は代行タクシーを使った羽越本線(酒田~鶴岡)と、新幹線ワープをした関越本線(越後湯沢~高崎)となっています。
【6月8日(土)-旅行13日目】
季節は6月のため、いつも御用達の「青春18きっぷ」は発売されていませんが、今回の旅行範囲と日程であればJR東日本の「週末パス」が断然お得な切符でした。
「週末パス」は関東甲信越、南東北(福島、宮城、山形)の指定されたエリア内であれば乗り降り自由で、土日祝日の2日間有効なきっぷです。大人8,730円と「青春18きっぷ」に比べると割高感がありますが、「週末パス」なら特急券等を別に購入すれば新幹線、在来線特急に乗車できるメリットがあります。
ただ補充するだけでは勿体ないので、「週末パス」+特急券、指定席券で色んな列車に乗りながら周遊したいと思います。
朝、7時前に自宅を出発。まずは「むさしの号」で大宮まで
鉄道1本目(旅行通算では83本目)の乗車
(83) 中央線快速(武蔵野線直通) 普通むさしの号 大宮行き 8両 7:19八王子→8:12大宮
大宮からは新幹線で古川までワープ
全車指定席 17両 8:22大宮→9:53(遅れ4分)古川
車窓は時速300km/hで流れていく。
そして、福島県に入ると本降りの雨に‥
1時間半で古川駅に到着し、あっという間に東北地方に移動が完了。 ここからは観光列車を中心に乗車して、のんびりと移動時間を楽しみます。
(85)陸羽東線 快速 リゾートみのり 新庄行き 3両 全車指定席
10:14古川→11:00鳴子温泉
途中下車しても時間に余裕があったので、東北の名湯 鳴子温泉に立ち寄り。
鳴子温泉駅前には無料の足湯あり
鳴子温泉郷 「早稲田桟敷湯」
鳴子温泉では黄色い建物が特徴の「早稲田桟敷湯」に立ち寄り。まるで昭和初期にタイムスリップしたかのような内装でした。雨の温泉街は週末でも人が少なく、温泉も空いていて、良いひとっ風呂でした。
再び鳴子温泉駅に戻り、新庄方面に向かいます。
(86)陸羽東線 普通 新庄行き 2両(ワンマン)
13:05鳴子温泉→14:09新庄
普通列車でしたが一人がけのクロスシートで快適でした。乗車率も低く20%程度。
列車はディーゼル音と時折大きな汽笛を響かせながら、東北の深い山中を駆け抜けます。
定刻通り新庄駅に到着。
この後は5分後に出発する酒田行き普通列車に乗車予定でしたが、どうやら同じ列車が行き先だけ酒田行きに変身して運行するパターンのようです。なので、同じ席に引き続き乗車します。
(87)陸羽西線 普通 酒田行き 2両(ワンマン)
14:14新庄→15:22酒田
平野を抜けると線路は再び深い山中に入っていき、最上川と共に蛇行しながら進んでいきます。庄内平野に入ると天気が回復して晴れ間が出てきました。
そして、日本縦断補充の旅1つめのスタート地点である酒田駅に到着。
16:10酒田→18:31新潟
臨時快速「きらきらうえつ」はその名前の通りカラフルなデザインの車両で運行していました。2001年から運行開始し、今年で18年目になりますが、今年(2019年)の9月で運行を終了することが決まっています。
恐らく最初で最後の乗車ですが、大きな窓で車窓を楽しめて、指定席料金も一律520円と安価で良い列車でしたが残念ですね‥
車窓は再び曇り出した庄内平野が広がり、30分程で鶴岡駅に到着。車窓は昨年末の旅では猛吹雪でしたが、今は緑溢れる初夏に変わっていて、全く違う土地を走っているようでしたが、これで羽越本線酒田駅~鶴岡駅、1つめの補充区間を走破しました。引き続き「きらきらうえつ」で新潟駅まで進みます。
鶴岡駅を過ぎて暫くすると、今度の車窓は日本海が広がります。海に落ちる険しい岸壁の先には、山形県唯一の有人離島である粟島を望むこともできました。
昨年末の旅では、この区間を大幅に遅れていた特急いなほ号に乗って通過しました。その時はやはり暴風雪で何も見えない状態でしたが、今度の車窓は穏やかな日本海が広がっていました。
村上駅を過ぎると、車窓は日本海から越後平野の田園地帯に変わり、雨も降ってきました。夕日は拝めず、新潟駅には定刻の18:31着。
この後は直江津まで向かうのですが、新潟周辺は乗客が多く路線も入り組んでいて、乗り換え回数が多くなりそうなエリアです。乗り換えなしで座って移動したい… そんな願望を叶えてくれる列車がありました。その名は「快速らくらくトレイン信越」運行は深夜に1本だけですが‥
その列車の発車時刻まで約2時間あったのですが、適当に時間を潰し、新潟駅5番線ホーム下にある専用券売機で乗車整理券(310円)を購入します。
えきねっと、みどりの窓口等での販売はしておらず、新潟駅からこの列車に乗車するには乗車直前に専用券売機のみでしか購入できないようでした。
(89)信越本線 快速らくらくトレイン信越 直江津行き 4両 全席自由席(要乗車整理券)
20:57新潟→23:02直江津
名前の通り空いていて、らくらく移動できました。乗車率は10~20%程度。
深夜23時過ぎに終点の直江津駅に到着。宿泊代をケチって隣の春日山駅近くのネットカフェへ。残念ながらもう終電は逃しているので、人が全く歩いていない深夜の上越市内を30分程歩いて向かうことに。
車はそこそこ走っていましたが、すれ違った歩行者はゼロ、自転車が1台でした。23:40頃ネットカフェに到着。
【6月9日(日)-旅行14日目】
翌日も早朝から移動を開始します。もう一つの補充区間は関越本線(越後湯沢~高崎)のため、直江津まで来た時点でかなりの遠回りになっていますが、長野から新潟方面へ走るローカル線である飯山線への乗車を目的に、長野駅へ向かいます。
(90)えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン 普通 5両 妙高高原行き
5両のロング編成で登場。日曜の早朝にも関わらず、乗客はそこそこ乗っていました。えちごトキめき鉄道は元々JR信越本線だった区間が2015年3月の北陸新幹線開業によって第3セクター化された路線です。今回使用中の「週末パス」では直江津駅~妙高高原駅間で利用可能です。
終点の妙高高原駅では、えちごトキめき鉄道からしなの鉄道に会社が変わりますが、ホーム向かいの列車にスムーズな乗り換えができました。
(91)しなの鉄道北しなの線 普通 2両 長野行き
7:48妙高高原→8:32長野
妙高高原駅から先は長野県に入り、路線もしなの鉄道北しなの線に変わります。元々はJR信越本線として1本の路線で繋がっていましたが、ここも2015年3月の北陸新幹線開業によって第3セクター化された路線です。しなの鉄道自体は1997年の長野新幹線開業時に軽井沢 - 篠ノ井間がしなの鉄道線として開業しており、鉄道会社としては20年以上運行しています。
(92)しなの鉄道北しなの線→JR飯山線直通 快速おいこっと 2両
9:15長野→11:50十日町
ここからは臨時快速列車の「おいこっと」号に乗車して再び新潟方面に向かいます。ちなみに、「おいこっとと」は東京の間逆にあるという意味で東京(TOKYO)を反対(OYKOT)にして名づけたそうです。
見た目は年季の入ったディーゼル車ですが、車内は改装されていて新車のようでした。
長野から十日町間86.1kmを約2時間半とスローペースで飯山線を駆け抜けます。
途中の森宮野原(もりみやのはら)駅では15分間の停車があったので、外に出てみました。ここはJRの駅の中では日本最高積雪地点(積雪7.85m)だそうです。列車2.5台分といった高さでしょうか。
飯山線はさらに先の越後川口駅まで続きますが、おいこっと号は十日町駅までの運行です。十日町で北越急行に乗り換え。北越急行も週末パスで乗車できるのでありがたいですね。
12:16十日町→12:54越後湯沢で
ほくほく線は1997年に開業した比較的新しい鉄道路線で、六日町駅から犀潟駅を幾つもの長大トンネルで繋いで走っています。直線区間が多いため運行スピードが速く、今回乗った列車も2両編成の普通列車にしては早い110km/hで走行していました。
車内では「ゆめぞら」という星空の映像が壁に取り付けられたプロジェクターから天井に上映されました。毎週日曜日にのみ運行されているようです。プラネタリウムみたいで車内が真っ暗になり、眠くなりますね…
越後湯沢駅に到着。年末に来た時と違いシーズンオフなので、駅周辺はガラガラでした。次の列車まで時間があるので、近くの銭湯に入り、駅弁を買ったりで時間調整。
(94)上越線 快速谷川ループ 6両 上尾行き
13:53越後湯沢→17:12上尾
今回5本目の座席指定列車です。今年一年の間で数本しか運行しない希少な臨時列車ですが、数日前にねきねっとで確認したところ1席だけ空席があり、奇跡的に乗車できたのでした。車両は主に群馬県内で運行している「リゾートやまどり」号と全く同じ編成で、埼玉県の上尾まで3時間以上のロングランです。
乗車率ほぼ100%で越後湯沢駅を発車した列車は、田園地帯と幾つかの小川を越えた後、線路のループでさらに標高を上げて、長大トンネルの清水トンネルに入ります。清水トンネルの開通は1931年なので、上越線が単線だった頃から運用されている80年以上の長い歴史のあるトンネルです。
このトンネルを抜けると、土合(どあい)駅に停車します。下り線(新潟方面)の土合駅は地上までの長~い階段で有名ですが、上り線はいたって普通の無人駅になっています。ホームは約90年前からほぼ変わっていないようで、駅自体の歴史はこちらのほうがありますね。
土合駅を出発後、線路はこの臨時快速の名前にもなった2つ目のループに入り、関東平野に向かって標高を下げて行きます。
ここから先は利根川と平行してひたすら南へ列車は走ります。下流では大河の利根川も、この辺りでは渓谷に沿って流れる小さな川ですね。
沼田駅を過ぎた辺りで外は大雨になって来ました。けれども車内は変わらず快適な空間で、列車旅の良いところです。高崎駅から先では少しずつ乗客が下車しましたが、大体の人は終点の上尾まで乗車していました。
定刻通り、17時過ぎに上尾駅に到着。駅にいた人々は変な電車がやって来て、ずっとホームに停車しているのを不思議そうにしていた感じです。
この後は向かいのホームに行って高崎線に乗り換え、以下のルートで帰路に着きました。こうして、日本縦断の旅が終わり、合計で乗った列車は98本となりました。あと少しで100本だったのが残念…
(95)高崎線 快速 15両 小田原行き 17:22上尾→17:36浦和
(96)京浜東北線 各駅停車 10両 蒲田行き 17:44浦和→17:47南浦和
(97)武蔵野線 各駅停車 8両 府中本町行き 17:52南浦和→18:21西国分寺
(98)中央線快速 各駅停車 10両 高尾行き 18:30西国分寺→18:48八王子
自宅に着くころにはすっかり真っ暗になっていましたが、無事に帰宅を果たし、これにて14日間にも及ぶ「鉄道二本縦断の旅」を終わりを迎えました。
今回、計画では年末年始の日本縦断旅で乗車を逃した酒田~鶴岡駅、越後湯沢~高崎駅を乗車するだけでしたが、2019年9月で運行終了する「きらきらうえつ」、年に数本しか運行しない「谷川ループ」などたくさんの臨時列車に乗ることができて、非常に充実した旅になりました。
また機会があれば、のんびりと列車の旅に出たいなと思う今日この頃でした…